エポキシボードは風に弱く、そして波が大きいと使えない・・・そんな迷信を作り出している旧来型の素材軍団ですが、
実際はフレックスマネージメント(ボードのフレックスを調整)をすればそんなことは一切ありません
と言わせていただきます。
そりゃある一部のチープなエポキシは風に弱く、そしてバタバタするかもしれませんが、そんなボードとは一線を引くハイエンドなカスタムボードを弊社では作り上げて提供しています。
そのテストフィールドは、WSLからあのマーベリックスまで世界一級のフィールドです。限界値に近いところでテストしてこそ、市販のボードで一般の方が使いやすい素材が出来ると私どもは信じて疑いません。
以下のURLもご参考に
URL:http://www.xtrsurfboards-japan.com/WhyGlobalboard.html
先日ウルトラ巨大なMarverickにてWSLのコメンテーターかつProサーファーのPeter MelさんがXTR×TOMOボードでフィールドテスト。素晴らしいフィーリングだったようですよ。
もちろん世界一流のプロだけでは無く、リージョナルかつローカルに地域密着中級サーファーの意見も聞き入れてくれるその器の大きさに私も感銘します。
そんな私の意見も反映したRobertさんのHD-EPSとRFTⅡの記事も新しくアップしました。
これからはかなりマニア向け(かつ以前からある記事を加筆している)なんで、素材に興味がある方以外は読まないでくださいね。きっと途中で疲れちゃいます。
ここで弊社がUSのメーカーと共同で開発・採用しいている
高密度EPS=High Denstity(HD) EPS
について解説しましょう。
このHD-EPSとは以前からあったフォームの密度がスカスカしてる旧来型のEPSではなく、フォーム同士がぎゅっと密着していて、凹みから乗り味・耐久性まですべての性能をグレードアップしているハイエンドなEPS×エポキシグラッシングボードです。
もともと、一般の市販ボードやアジア諸国で生産されるボードでは、HD-EPSは通常使用されていませんでした。コスト重視のボードは、原価を出来るだけ下げるために(=メーカーの利益幅を大きくするために)作られていましたので、見た目にはわからない中身のフォームはLow Density(密度の低い=密度が低いとフォームの価格が安い)のものを使っていました。質感は若干違うのですが、High Density EPS(HD)Low Density EPS(LD)も見た目は、変わりません。ですので、コスト重視であればメーカーのファーストチョイスはLDフォームとなるのが常だったと言えます。
またHigh Density-EPSで更なる高性能なボード(つまりボードの全体的な性能を上げたボード)を作るためには、フォームのみならず、ボードに巻くクロスから樹脂の質と性能を高めなければなりません。そして作るのが難しくなるために、熟練の職人さんが必要です。
つまりHD-EPSを生かした高性能なボードを作るには、素材の取り扱い、そしてグラスする技術と時間が必要なので、コスト度外視でボードを欲しがる要求度の高いプロフェッショナルサーファーオンリーのレシピだったのです。
弊社は以前からカスタムエポキシボードの研究・開発を長年行ってきました。EPSサーフボードについても同様です。
EPSボードはその軽さ・丈夫さ・熱の強さに特筆すべき利点がありますが、1点だけ最大の弱点がありました。それは
”フォームの吸水率が高い”
”水を多く吸ってしまったEPS素材は、修理の際でも水を完全に抜くのがほぼ困難”
"表面が柔らかくボードの強度がXTRより弱い"
"フォームが収縮してしまって、ストリンガーが浮いてきてしまう"
という点です。
水を吸っていない状態のEPSボードは、イキイキとした動きを出し、そして軽いのです。ただし、一旦水を吸ってしまうと(例えば傷がついたのに気づかずにしばらくボードに乗り続けてしまった)フォームが水を多く吸ってしまい、水を抜くことがほぼ不可能になってしまうケースも多々ありました。水を多く吸ってしまい、そして修理でも水を抜くことが困難なのでボードが死んでしまうのです。
・水がぜんぜん抜けないなあ!!
・1週間たっても傷口から水がしたっている!
・フォームが収縮してストリンガーの木の付近が浮いてきてしまった
EPSサーフボードを使っていて思いませんでした?
EPSフォームはXTR素材やVarial Foam、EFC素材などのClosed Cellとは異なり、水を多少なりとも吸ってしまう特性はそのセル構造がOpen Cellなので変えることは出来ません。その反面Closed Cellより熱に強い、扱いが簡単という利点もあります。そして、PU素材より明らかに軽く、そして丈夫なボードが作れるのはXTR・Varial・EFC・EPSの共通項です。
EPSフォームの素晴らしさを生かしながら、水の吸水が少ないフォームを開発出来ないか?そんなことをメーカーにぶつけづけていましたが、遂に弊社はベストなEPS素材を使えるようにいたしました。メーカとも共同し、ラミネーションにベストなサーフボードフォーム用のEPSを開発したのです。
"HD EPS Foam(高密度EPSフォーム)”
です。 このフォームは通常のモールドボードやサーフボードに多く使われているEPSより1.5倍から2倍の密度を誇り、フォーム自体の硬さもPUフォームに近くなります。吸水率は、以前のEPSより劇的に変化して、PUフォーム並(つまり、水は吸うが、奥まで水はなかなか到達しないために、修理でも修理箇所を完全に乾かしやすくなる)の吸水率になりました。
このフォームはコスト度外視して、性能を高めるためのプロチョイス素材でした。敢えて指定して頼まないと実現せず、アメリカの店舗のラックボードでは使用されていなかったハイグレードのものです。
シークレットのレシピもふんだんに取り込んでいて、通常のEPSやモールドパッコン(中国やベトナム、タイでつくるような塗装をしたタイプの大量生産ボード)とはフォームの質からして違いがあります。EPSのフォームが高密度になると、フォーム自体が少し重量を増すのですが、それは弊社と各メーカーとの協力により、グラッシング技術で軽く(だが、丈夫に)巻くことが可能となっています。EPS特有の"スピードは出ているが、すかすかした乗り味でつまらない"フレックスではなく、きちっと芯のある乗り味で、フレックスや耐久性、乗り味も通常のEPSよりよりPUやXTR素材に近くなりました。
プロらも御用達のこの素材ボードは、世界トップのWSLの大会でも実際使われていて、
HD EPSは、通常のEPSよりフォームの価格も1.5倍から2倍ですがその価値は十分あります。
では、通常グレードのEPSフォームと弊社使用のHD EPSフォームを比較してみましょう。以下の写真をご覧ください。左のフォームが弊社使用の高品質HD EPSフォームで、従来型のEPSフォームは右になります。
まずは通常のEPSフォームをご覧ください。HDでは無いEPSフォームは目が粗く、そしてフォーム自体もとても柔らかいのた特徴です。当然フォームには水がすぐに浸入しますし、そのフォームで作ったサーフボードの強度は弱めです。
では弊社使用のHD EPSフォームはどうでしょう?フォームの目はより規則的で、そしてフォームがギュッと詰まっています。低密度EPSより水に強く、そしてフットマークや傷に強いサーフボードが作られます。
サーフボードは見た目だけではボードを作る素材はわかりません。見た目もさることながら、見た目ではわかり難いハイエンドな素材こそが高い性能・耐久性・軽さを生み出す鍵となります。
外側を覆う樹脂は、柔軟性に富みながらも強度が高い弊社指定のアメリカ産の最高級のサーフボード用のエポキシ樹脂を使います。色の白さが際立っていて、しかも従来のエポキシ樹脂より黄ばみに強いのが特徴です。
RFT2:ストリンガーレス高密度EPSフォーム×カーボンシート×カーボンストリップ×エポキシグラス |
常に最新素材を開発し続けるRobertsサーフボード。シェイパー&デザインナーのRobertは、これからはサーフボードの素材が飛躍的な進化を遂げると信じています。
そんな彼の開発したRFT2(アールエフティー2)は、以前のRFT(高密度EPS×カーボンストリップ)フレックスを更に改良し、
・軽さ
・耐久性
・フレックス
のすべての面で進化を遂げた新素材となります。
まずはこの素材を6カ月使用した感想を書きましょう。
【RFT2インプレ】
*筆者はボードは波によって変えますが、毎日サーフする中級レベルサーファー:使用回数tは一般サーファーの2年ほどだと思います。ボードはRFTⅡ素材のPool Toyです。
ボードの素晴らしいデザインからくる優秀さは当たり前なのですが、通常のPU素材のような重さ・もろさは皆無で、旧来素材のPUとは別物です。ボードが生きているようなドライブ感とシャキシャキ感を持ち、ストリンガーレスのしなやかさもあります。
一番驚いたのは、そのフットマークに対する強さ。デッキにカーボン素材とXクロスを配置しているからだと思います。通常のポリエスターより5倍は強いと言われているエポキシ素材製の他のボードと比べても、更にこのRFTⅡはデッキのフットマークが付きにくいです。
先日ワックスを剥がしてその凹み具合を確認しました。失礼ながらワックスは最初から塗りっぱなしだったので、かなり汚いです。
それなりに使って、時間も経っているのんみ黄ばみが少ないのがまず特徴です。私はあごでノーズの下を抑えてテイクオフする時があるので、通常のボード(それがエポキシ素材であっても)であればかならずあごマークがついていました。
ですが、このRFTⅡ素材のPool Toyはそのあごマークが一切ありません。その事実から
”これはとても凹みに強い素材だな”
と確信していました。凹みに強いけど、モールドボードのようなバタつく不自然なフレックスは無く、よりPU素材に近いフレックスでもあります。波の凸凹にも強く、そして軽すぎない(でも重くありません)ので風にも強いです。
早速ワックスを剥がしてみました。
すると驚くことに・・・やはりか!となり凹みがほぼついていません。うっすらと1㎜くらい凹んだかな?というエリアはありましたが、これはかなり少ないと思いました。もちろん乗り方で凹みの付き方は個人差がありましょうが、私の持っているボードの中では一番凹みが付かない素材でした。
これはデッキのカーボンとXクロスの役割と、フォームが弾力を持つHD(高密度)-EPSのためだと思われます。モールドボ―ドが外側の殻をがちがちに固めて凹みを防ぐ(だけど先ほど述べたような不自然なフレックスやバタつきの原因になる)のに対して、こちらは乗り味の良さをキープしながら、その高密度なフォームが、まるでサスペンションのように衝撃を吸収した後にフォームがもとに戻るのです。
表面のカーボンとXクロスの威力に加えて、フォームのコアーにはこのページの先頭でも解説しました、HD-EPS((高密度EPSフォーム)を使います。フォームのフレックス・耐水性の高さ・そして軽さと耐久性のバランスが優れたフォームです。
この素材で一番優れたところは、
・デッキの凹み難さと、それでいてしなやかなフレックスを生み出す高いバランスマテリアル
となります。使ってみてビックリすることでしょう。乗ってみてフレックスに違和感がサーフィンが好きな方だったらすぐに分かるでしょう。
そして、そのフォームを包み込むグラスパターンですが、
①デッキ全体にバーチカルカーボンシート×バイアクセルクロス(斜め45度に入るクロス)
②デッキの前足とデッキパット付近エリアまで入れるカーボンストライプ
③ボトムに2つに分けたカーボンストライプ
という構造で出来ています。
」
この最新構造の根幹には以下のセオリーがあります。
・サーフボードの性能と乗り味を高めるには、ボトム側の反発を高いもの(つまにボトム側を強めにする)にして、デッキ側の足を置く場所は柔らかくする(乗り味を良くするため)。
という理論です。ボトム側の反発を強くすると、ボードの戻りが早くなり、ボードのスピードが簡単につけられます。折れることに対する耐久性も高まります。デッキ側を柔らかくしなるようにすると、サーファーの体重がボードに伝わりやすく、そしてサスペンションのように乗り味が良くなるのです。ただし、 これを実現するとなるとボトムのグラスを厚く、デッキ側のグラスを薄くしないとなりません。ただし、そうすると
・ボトム側が重くなり、ボードの反応が悪くなる
・デッキ側が弱くなり、ボードの凹みが付きやすく、壊れやすくなる
という不利な点が生まれてしまいます。性能を上げると耐久性や乗り味が落ちて、耐久性を上げようとすると、性能が落ちる・・・サーフボードとして、重要な矛盾が生じてしまうのです。
あなただったら性能と耐久性はどちらを選ぶのでしょうか?
プロだったら、サーフボードが一般の方より手に入れやすいので、耐久性を落として性能を選びます。その代わり、プロのボードは短命です。
アマチュアは、プロとは逆で耐久性も重要です。その耐久性を上げるために性能はこれかである程度犠牲にしてきました。
技術に優れたプロが良いギアーを使い、更に波に乗ってハイパフォーマンス、それと反して技術に劣る我々一般サーファーが、プロより性能が劣るギアーを使う。それではなんだか不公平な気がしませんか?
そんな問題を我々は素材の技術を上げることによって解決する方策をついに見つけたのです。それがエポキシボード革命であり、そのエポキシボードの性能を更に上げる技術です。このRFT2もその技術の1つとなります。
まず①のバーチカルカーボンシートは、デッキを強化して凹みに対する耐久性を上げています。それでいて、乗り味と性能に大切なボードのフレックスも同時に保ちます。カーボンだけで覆ってしまうと、ボードのデッキがカチコチになり、乗り味が悪いボードとなります。それを防ぐために、カーボンの量を調整しています。
また、バーチカルカーボンシートのクロス目の部位は、フレックスがあるのにそれでいて強度に優れている
バイアクセルクロス(Xクロス:斜め45度に入るクロス)
を使います。バイアクセルクロスは、スタンダードなEPSやPUボードでは使われません。通常のクロスよりもコストが非常にかかるためです。ただし、サーフボードのフレックスを保ちながら強度を強くするハイエンドのクロスで、RFTⅡはこちらのクロスを使います。
しかも、デッキ面のバイアクセルクロスに最高級の”S-2 Glass Cloth” を使います。こちらのS-2 Gloss Clothは、高性能クロスとして知られていて30%くらいEグラスより強度があるのに、同じような軽さがあるマテリアルです。従来のPUや従来のEPSは安価なEクロスを使いますが、そのクロスとの性能の差は明らかです。
足をメインに置く場所には、ボードのフレックスと反応を高めるために、②のカーボンストライプを入れています。この位置に配置するのは意味があって、ボードのデッキパットのエリア(つまり後ろ足をメインに置く場所)は、フレックスが重要なのでカーボンストライプは配置しません。このデッキのセンターにあるカーボンストライプは、ボードの凹みを防止し、折れに対する耐久性も上げます。
さあ、③のボトムのカーボンストライプをみましょう、センターに2つのカーボンストライプが配置してあります。このカーボンが2本に分かれているのには理由があります。
2本ではなく、1本の太いカーボンをセンターに配置してしまうとデッキをすでにカーボンで強化しているために、ボードが固くなり過ぎます。それを防ぐために、カーボンを細くしてセンターを開け、固くなり過ぎないようにカーボンを配置しています。
以上の①~③の組み合わせにより、
・乗り味がしなやかで最上級
・ボードのフレックスが良く、スピードと反応が高い
・ボードの全体の耐久性が向上
という素晴らしい利点が生まれているサーフボードフォーム構造となりました。
サーフボードの素材には常に新しく優れたものを取り入れてきた、Robertsサーフボード。他のメーカーが5年も6年も前にやっていることを、先駆けてやってきたシェイパーです。
シェイパーのRobert曰く
”サーフボードは、そのデザインと素材によるカスタマイズされたフレックスの組み合わせが最重要になっている。このRFTⅡは、サーファーがどこに荷重をかけてスピードを出し、どこでサーフボードをコントロールするかを計算して考えられた素材となる、サーフボード素材のリーデイングを走るものだ。乗った感想は、軽く、そして取り回しがよく、スピードのノリが良い。そして耐久性もPU素材や従来・旧来のEPS素材とは比べ物にならないほど上である。ビックヒットになる素晴らしいボード素材だ”
というインプレを残しています。
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